鍛冶町 二東・月鉾(にとう・つきほこ)
孔雀の羽毛を混ぜて織られた見送幕が豪華
「二東」は鍛冶町の古い町名の二之東町から名付けました。本来は三日月形の鉾を建て、「月鉾」と称します。新復興したしるしを「月鉾」としたため、それとの混同を避ける為新たに「二東」をだんじりの名称としました。(現在はどちらの名称も使っています。)
「二東」の評価を上げたのは何といっても県の文化財に指定されている見送幕「雲竜文」です。明時代(1368~1644)の刻糸(中国のきわめて精巧な高級織物、綴織)で孔雀の羽毛を混ぜて織られています。
だんじりのつくりなど
- 屋根
- 唐破風。化粧梁上のとばめ板に牡丹に唐獅子の彫刻
- 眼象
- 三日月紋
- 懸魚
- 葉牡丹の透かし彫り
- 天幕
- 前面が「鳳凰に桐図」、左右・後面が「御殿鷹図」。ともに緋羅紗地に刺繍が施されています。
- 水引幕
- 「飲中八仙」八人の仙人が酒盛りをしている様(堀西米中下絵の刺繍/明治19年(1886)京都にて新調
- 胴幕
- 「籬(まがき)に菊図」陶淵明の飲酒詩、「采菊東籬下悠然見南山」にならう(刺繍)。
- 前幕
- 白象に唐子(刺繍)。平成15年(2003)に復元新調
- 後幕
- 龍虎(呉道子、陳平)(刺繍)
- 見送幕
- 「雲龍文」中国明時代(1368~1644)(綴織)。孔雀の毛を混ぜて織ったもので、三重県指定文化財です。現在だんじり会館にて常設展示しています。祭礼巡行に使用の見送り幕はこれを基に、昭和37年(1962)新調しました。
- 勾欄
- 総金具、金鍍金
- 囃子
- 祇園囃子。囃子方の組織を二東社と称しています。
しるし「月鉾(つきほこ)」
平成2年(1990)に従来だんじりの屋根にそびえた「月鉾」を原型に、濱邊萬吉画伯の意匠により復興されました。